神戸大学大学院 工学研究科 建築学専攻 住環境計画分野 近藤民代研究室 HOMEへ

研究概要

居住環境を再生・保全・創造していくための計画論・主体形成論

 

災害復興期におけるすまいの再建と地域生活空間の再生

『米国ハリケーン・カトリーナ災害の被災地ニューオリンズ市におけるすまいの再建と地域生活空間の再生に関する長期的研究』
全米史上最大の被害を出した都市災害であるハリケーン・カトリーナ災害(2005)の被災地であるルイジアナ州ニューオリンズ市をフィールドにして、住宅再建や地域生活空間の再生に関する長期的研究を行っています。2009年から今日まで経年的に三地域の約1500戸を対象として定点住宅再建調査を継続しており、地域間の住宅再建の格差が何によって生じているのか、そして地域生活空間のメカニズムについて考察しています。また、コミュニティ主体の地域住宅復興、ボランティアベース型住宅復興、住宅再建を断念した放棄住宅の再生手法など多様な住宅復興のかたちに着目して調査を継続しています。

 

『東日本大震災の被災市街地における住宅復興に関する長期的研究』
東日本大震災の津波沿岸市町村を対象として住宅復興に関する研究を行っています。被災者個人による自主住宅移転再建、ボランティア労働力を活用した住宅修繕、地域主導型の集団移転などに着目して、岩手県・宮城県の9市町村(大槌町・大船渡市・陸前高田市・気仙沼市・南三陸町・女川町・石巻市・東松島市・山元町)をフィールドにして調査研究をしています。いずれも被災者の住まいを再生する力を発揮する住宅復興であり、将来の広域巨大災害に向けた住宅復興の備えについて考えています。

 

計画論:豊かで安全な居住環境を再生・保全・創造していくための地域生活空間計画論

  住宅は都市やまちの重要な構成要素であり、安全、環境、福祉、文化といった地域の生活環境に大きな影響を及ぼすという社会的な性格をもっています。生活基盤となる住宅を核とした地域生活空間は、地域社会や都市・まちの営みという「中身」とこれを支えるインフラ、公共施設、住宅や建築などの「器・ハコモノ」から構成されています。住宅および居住環境の快適さ、安全性、美しさを高めて良質な住環境(ハコモノ)を形成し、人々の生活(中身)を豊かにしていくための計画論の構築を目指します。

主体形成論:居住者による地域に根ざした住環境づくり “コミュニティ・アーキテクチュア”の研究

  居住者自身が住環境を創造・維持・保全する主体として成長することが、豊かで地域性あふれた住環境を創出するためには必要です。商品としての住宅・住宅地を選ぶという選択行為にとどまらず、住まい手自らが環境創造にかかわていくことが求められています。地域に根差して、地域と共に住環境をデザインする運動であるコミュニティ・アーキテクチュアの研究を行います。この運動は居住者による住環境改善運動であると同時に、それを支えるコミュニティ・アーキテクトという新しい職能をもつ建築家による運動です。米国ではコミュニティベースの建築・まちづくりを支援する専門家組織コミュニティ・デザイン・センターが活動しています。我が国においても、そのような活動は少なからず展開されています。


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